コンクリート構造物を部分的に壊す事により、コンクリート強度を推定する試験方法について説明します。

この試験法は、一部 構造物に損傷を与えますが、構成物全体としては微少な為、非破壊試験として扱われています。

国内では、規格基準についての整備や研究は進んでおらず、外国での規格(ASTMBS、ノルウェー、スウェーデン)に基づいて試験されているのが現状です。

 

1.       ブレークオフ法(BREAK-OFF

コンクリート表面にコアスリットを設けた後、コア頂部の一部に水平力加圧をかけ、コアが破壊されるピーク値を計測する方法です。

コアスリットの作製方法には2通りあります。コンクリートを流した時にプラスチックスリーブをグリース等で被膜した後、埋め込み、硬化後にスリーブを引き抜き作成する場合と、コンクリート硬化後にダイヤモンドチップドリルビット等により、コアスリーブをボーリングする場合があります。

この方法では、部材厚さが100o以上に適用するもので、コアセンターからコアセンターの距離は最低150ミリは確保せねばならず、コアスリットとコンクリートエッジの距離は100o確保し、100㎥の部材あるいは500uの部材では、最低5個のブレークオフテストを行わなければならないとの事です。

  

2.       プルオフ法

コンクリート表面に鋼製やアルミ二ウム製のプレートを樹脂系の接着剤により接着し、硬化後 プレートを引張上げ、その引張体力よりコンクリート圧縮強度を図ります。

計測範囲以外のコンクリート表面が測定値に影響を与えないようにプレート周囲にコアスリットを作製する事もあります。

規格としては、BS 1881 Part 207がありますが、国内での建研式接着力試験は類似のものです。

この方法では、コアセンター距離間が、プレートの2倍以上にし、コンクリートエッジからの距離はプレート直径以上を確保せねばなりません。

プレートに接着する面については、ワイヤブラシ等により磨き、レイタンス等の脆弱部分を取り除き、表面を乾燥させた上で接着せねばなりません。

3.       プルアウト法

コンクリートの中に埋め込まれた埋込具をコンクリート表面より引き抜く際の最大引抜耐力を測定し、圧縮強度を測るものです。

埋込具の設置方法には2通りあり、コンクリートを流す前に埋込具を入れるブレアンカー法と、コンクリート硬化後に拡底式後打ちアンカーを適用する ポストアンカー法がありますが、プレアンカー法の方が埋込具の固定が確実と言えます。

当方式の規格では、ASTM C900BSがあり、社団法人日本コンクリート工学協会より試案が出されています。

既存構造物でのポストアンカー法については、脆弱性がありますので、プレアンカー法について説明します。

埋込具はネジ付シャフトと加力プレートより構成されており、コンクリートを流す前か硬化前に表面より埋め込みます。

ネジ付シャフトに引き抜きボルトを付け、反力リングにて反力とりながら、引抜ボルトを引張り、最大荷重を引抜耐力とします。

周辺のコンクリートはコーン状に破壊されますが、最大荷重を加えた直後に加力をストップすれば、コーン状破壊は免れます。

試験箇所については、センター間隔が加力プレート直径の3倍以上、コンクリートエッジより加力プレート直径の2倍以上を確保せねばなりません。

埋込時の注意としては、決められた深さを守ると共に、加力プレートがコンクリート表面と平行になるように、引抜ボルトが加力プレート・コンクリート表面に垂直になっているか確認する必要があります。また、全ての引抜力が加力プレートを通じてコンクリートに伝えれるように、引抜ボルトの軸部にテーパー付与したり、スリーブを設けたりする必要があります。

荷重の計測にはロードセルを用い、引抜耐力が小さい場合、加力にはスパナにてトルクを与えれば十分ですが、引抜耐力が大きい場合は、センターホールジャッキを用います。

一般的なコンクリートの場合、圧縮強度は引抜耐力と圧縮強度の1次関係式を利用します。