レーザードップラ速度計
レーザードップラ速度計|特徴
非接触測定
被測定物への物理的影響がないため、繊細な素材や高温の対象物も測定可能です。
高精度測定
レーザードップラ技術は非常に精度が高く、高速・低速など幅広い速度範囲で測定ができます。またスベリが発生しません。
素材を選ばない|広範囲な測定対象
鉄・非鉄金属・樹脂・木・紙・布・ガラス・セラミックなど、散乱光を反射するものであれば測定が可能です。色々な素材や表面状態の対象物が測定可能で、用途が多岐にわたります。
操作が簡単
厳密なアライメント調整が不要で、被測定物がセンサの被写界深度の中にあれば測定可能です。
メンテナンスが少ない
非接触測定のため、部品の摩耗や交換がほとんどなく、長期間安定して使用できます。
レーザードップラ速度計|使用用途
ロールとフィルムのすべり測定
【分野】フィルム/フィルム製造装置/印刷機/コーター
【用途】すべり測定(ロールとフィルムの速度差測定)
【使用目的】製品品質向上/装置の立ち上げ調整/設備診断
ギヤの噛み合い測定
【分野】プリンタ・コピーマシン/自動車関連
【用途】伝達速度(ギヤによる影響)測定
【使用目的】研究開発/製品品質向上/製品品質評価
押出機・引取制御
【分野】産業機械/自動車関連/建材
【用途】速度測定、長さ測定
【使用目的】製品品質向上/歩留り向上
長尺物カッティング工程
【分野】産業機械/建材
【用途】速度測定、長さ測定・カッティング
【使用目的】製品品質向上/歩留り向上
電線・パイプの測定
【分野】電線・パイプ
【用途】長さ測定・カッティング
【使用目的】生産/検査/設備診断
フィルム製造工程の測定事例
使用機器
MODEL 2525(コンパクト2ch)
小型軽量な2ch専用機
現場での取扱いが容易
フィルム業界での実績多数
MODEL 2541(ワイドレンジ)
高速高分解能
0.1ms、0.1msまでオプション対応可
マスタースレーブにて2~32chまで同期測定可能
高機能フィルムコーティング工程
ロール・フィルムの速度変化の改善
ロール・フィルム間の滑りの改善
ロール同士の速度差の改善など
シート材不具合巻取り工程
不具合・欠陥感知センサと組み合わせて不具合箇所マッピング
透明フィルムも測定可能
高感度センサを使用し、照射部での信号ロスを少なく抑えているため、対象物が可視光透過率約96%のフィルムの場合にも、約4%の散乱光を検知可能です。信号処理器(アンプ)の内部演算によって、高感度センサで検知したわずかな散乱光を綺麗に増幅して結果を表示できます。
レーザードップラ速度計|測定原理
ドップラー効果とは?
ドップラー効果は、波の発信源と観測者(または受信器)が相対的に動いている場合に、観測される波の周波数が発信源で発生する波の周波数と異なる現象です。オーストリアの物理学者クリスティアン・ドップラーによって1842年に発見され、彼の名前がつけられました。波の発生源が動いているとき、 進行方向前方では一定時間内に届く波の数は多く(振動数は高く)なり、 逆に進行方向後方下流では波の数は少なく(振動数は低く)なります。
Aさん:速度Vだけ速く伝わる(一定時間内の波の数が増加):周波数が高くなる
Bさん:速度Vだけ遅く伝わる(一定時間内の波の数が減少):周波数が低くなる
C,Dさん:Vcosθ 、- VcosΦ だけ異なって聴こえる
アクト電子のレーザドップラ速度計は、CさんDさんのように、速度を横向きの方向から捕らえるという方法を取っています。これは、正反射光から速度を検出する振動計と大きく異なるところで、散乱光の中に含まれるシフト量を横方向から差動で検出するという特徴を持ったセンサです。
レーザードップラ速度計の構成と測定原理
差動型ドップラセンサ
レーザードップラ速度計から出射されたレーザ光をコリメータで平行にし、ビームスプリッタで2分割して走行物の前後から交差角:Φで照射します。
走行物からの散乱光をレンズで集光すると
fd=fm±(2/λ×sin(Φ/2))・V
の速度に比例したドップラ周波数:fdが得られます。この式から受光位置に全く影響されない高精度測定が可能なことが分かります。レーザ光は平行光の為、焦点深度内では交差角:Φが等しくなり、軌道内で凹凸があっても常に高精度測定が可能です。
レーザードップラ速度計関連資料
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