2色式温度計測カメラと一般的なサーモカメラの比較
一般的なサーモカメラの長所・短所
長所
- 比較的簡単に温度分布を把握できる
- 種類,ラインナップが豊富(廉価品から高性能タイプまで)
- 低い温度から計測が可能(0℃以下)
短所
- 放射率補正が不可欠
- ⇨物質、距離、形状、温度によって放射率補正が必要になり、正確な温度計測が難しい
- ガラス越しの温度計測が困難(専用の窓材が必要)
- 赤外線光学系の専用レンズが必要
2色式温度計測カメラの長所・短所
長所
- 放射率補正が不要で、高精度の温度計測が可能
- ガラス越しの計測が可能
- 通常のレンズ、光学系が使用可能
短所
- 高温(300℃以上)の計測のみ可能で、低温は測定できない
2色式温度計測システム『Thermera』特徴
『Thermera』特徴|放射率補正が不要
2色式温度計測では、異なる2波長での放射エネルギーを検出し、その比率より温度値換算を行います。同じ温度で放射率によってエネルギーが異なる場合でも、2つの波長帯でエネルギーは同じように増減するため、その比率は変わりません。放射エネルギーが増減しても比率が変わらなければ、限りなく真値に近い温度を算出できるという理論に基づいた温度計測法です。
放射率の異なる対象物の計測テスト
ステンレスの金属板の半分に黒体スプレーを塗布し、金属地肌とスプレー塗布部をバーナーで加熱し温度計測を実施。放射率が異なってもほぼ同じ温度として計測可能。
『Thermera』特徴|ガラス越しに温度計測が可能
Thermeraでは可視光~近赤外の波長の光から温度計測を行っているため、窓越し(ガラス・アクリルカーテン等)での対象物の温度計測が可能です。※樹脂の場合、一部のモデルでは使用不可。
ガラス越し撮影テスト
ガラスに囲まれたランプのフィラメントを測定。Thrmeraはガラスを透過して、中心部のフィラメントの温度測定が可能。
『Thermera』特徴|瞬間の高速現象の熱画像を可視化
ハイスピードカメラをThermeraシステムで温度校正することで、高速動画と熱画像動画の両方を取得できます。1秒間に10,000コマ以上の高速取り込みも可能です。
ディーゼルエンジンの燃焼温度分布・変化計測
画像(左):ハイスピードカメラ PhantomV7.1による実画像
画像(右):カラーテーブルで表示した熱分布画像
システム構成:Thermera+ハイスピードカメラPhantom V7.1
温度域:1300-1900℃
フレームレート:10,000コマ/秒
『Thermera』関連資料&動画
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