なぜコンタミ測定評価が必要なのか。
切削加工や研削加工、バリ取りなどの工程で出る切削粉などの異物が製品に付着していると、組立時や組立後の表面処理皮膜が剥がれたり、異物による動作不良、摩耗が加速し寿命低下など重大な欠陥を招く可能性があります。金属加工後の部品洗浄は欠かせないプロセスです。
コンタミ検査方法
バッチ検査によるコンタミ検査は主に重量法と粒子計数法を行います。
ステップ1「粒子の抽出」/ステップ2「フィルターでろ過」/ステップ3「フィルター重量計測」/
ステップ4「フィルター顕微鏡検査」/ステップ5「結果のレビュー」/ステップ6「レポート出力」
検査フローは上記のようになります。
粒子(コンタミ)抽出
コンタミ粒子の抽出に最も多く使用される方法は圧力リンスと呼ばれ、部品表面を高圧の流体で洗浄する方法である。対象部品を容器(ビーカーなど)内で洗浄を行い、異物を抽出します。
※コンタミ洗浄抽出ろ過装置のご提案も可能です。
フィルターろ過
抽出液をろ過し、コンタミ粒子をメンブレンフィルターに堆積させます。
減圧しながら濾過をおこないます。
フィルター重量計測(重量法)
ろ過前のフィルターとろ過後乾燥させたコンタミ捕集後のフィルターの重量差を精密電子天びんで測定し比較します。対象部品ごとにコンタミ重量の許容値を設定し、可否判定を行います。
精密電子天秤『GR-202』
ひょう量:42g/210g
最小表示:0.01mg/0.1mg
粒子計数法
濾過後のフィルターを顕微鏡+カメラ、デジタルマイクロスコープを使用しコンタミ粒子の大きさ・形状・粒子数・コンタミ表面状態を観察・撮影・計測・解析します。
粒子計数法事例(デジタルマイクロスコープ『DSX1000』+画像解析ソフトウェア『Stream』)
デジタルマイクロスコープDSX1000によるメンブレンフィルター撮影
デジタルマイクロスコープ『DSX1000』で自動貼り合わせを行い、メンブレンフィルター全体の高分解能な画像を取得します。フィルターが水平でない場合は、撮影ごとに自動でオートフォーカスを行いながら、自動貼り合わせを行うことで、フィルター全面にピントが合った画像を取得できます。
対象コンタミの材質に適した観察方法にワンタッチで切り替えて、前述のオートフォーカス+自動貼り合わせを行い画像取得するまで、数分で作業が完了します。
画像処理ソフトウェア『Stream』によるコンタミの計測・解析
『Stream』によるカウントと計測(粒子解析)ソリューション
社内外の検査規格に準拠するために、サンプル解析を繰り返し同じ条件や手順で検査を行う必要があります。『Stream』は検査標準化のニーズに対応するソフトウェアです。
カウントと計測(粒子解析)機能は、複数用意された高度な閾値設定方法により、背景から対象物(粒子やキズなど)を確実に検出します。検出された対象物は形状・サイズ・位置・画素の特徴(輝度、彩度)など50種類以上のパラメータでクラス分類をすることが可能です。
計測したいコンタミのサイズに合わせて閾値を設定し、DSX1000で取得したメンブレンフィルターの全体画像に対して、画像解析を行うことでメンブレンフィルター上のコンタミ数をクラス分けしてカウントできます。
粒子計数法事例(コンタミネーション解析システム『CIX100』)
粒子計数法は各種の工業規格で、検査条件やクラス分類の方法が明示されています。CIX100では工業規格に沿った粒子計数法による検査が可能です。コンタミ測定に特化した顕微鏡のため、操作フローが分かりやすく、観察からレビュー、レポート出力まで迅速に行えます。
直観操作を追求したユーザーインターフェースなので、不慣れなオペレーターでも、数クリックでコンタミ検査が可能です。毎日の検査の時間を最小限に抑えられます。顕微鏡も電動化されているため、CIX100のウィンドウ上で操作可能です。
波長分離と色検出に基づく新しい偏光観察方法により、1度のスキャンで高い反射率の粒子(金属) と低い反射率の粒子(非金属)を検出します。従来の検査システムと比較し、かなりの速さでスキャンが完了します。さらに、異なる条件で2回スキャンするために行う偏光素子の設定変更が不要なので、変更操作に伴う累積誤差や単純なオペレーションミスなどで、検査結果がばらつくことは一切ありません。
画像取得後は直感操作と多彩な機能で効率的にレビューできます。粒子と分類テーブル、粒子の位置、使用されている規格が1つのビューに表示され、必要な情報が1画面に網羅されているので操作に迷いません。反射する粒子や反射しない粒子など、あらゆる種類の粒子を大きい順に並べて表示できます。また各粒子の画像を選択するだけで、高さ計測結果が分かる自動計測が可能です。
『CIX100』が対応する工業規格一覧
ASTM E1216-11:2016
ISO 4406:2021
ISO 4407:1999
ISO 4407:2002 [Cumulative and Differential]
ISO 11218:1993
ISO 12345:2013
ISO 14952:2003
ISO 16232-10:2007 (A, N, and V)
ISO 16232:2018 (A, N, and V)
ISO 21018:2008
DIN 51455:2015 [70%and 85%]
NAS 1638:1964; NF E 48-651:1986
NF E 48-655:1989
SAE AS4059:2011
VDA 19.1:2015 (A, N, and V)
VDA 19.2:2015
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